昭和のくらし・もの

昭和が生んだ奇跡の純国産スポーツカー『トヨタ2000GT』

トヨタ2000GT①

ローズウッド張りインパネおよびウッドのステアリング・リムは、日本楽器(現ヤマハ)によって仕上げられたものだった。

トヨタ2000GT②

トヨタ2000GT③

トヨタ2000GT④

全長x全幅x全高:4175×1600×1160mm
エンジン:水冷直列6気筒DOHC 1988cc
レイアウト:FR
馬力:150ps/6600rpm
生産台数:337台
デザイン:野崎喩

トヨタとヤマハ発動機の奇跡的なコラボ
当時、日産自動車とのスポーツカー開発が頓挫、新たなパートナーを探していたヤマハ発動機と輸出市場やレースフィールドで通用し、自社のイメージリーダーとなるようなスポーツカーの開発を模索していたトヨタがお互いの技術を融合させ、後に日本が世界に誇る名車となる「トヨタ2000GT」が誕生した。

開発の本拠をヤマハ発動機に移し、トヨタからの開発陣4人(プロジェクトリーダーの河野二郎氏 デザイン担当の野崎喩氏 エンジン担当の高木英匡氏 シャシーと全体レイアウト担当の山崎進氏)を中心に少数精鋭のチームが立上げられ、ヤマハ発動機の工場で1967年から70年にかけて337台が生産(国内販売分が218台で アメリカには62台が輸出される)

小さなキャビンに長いノーズで均整のとれたプロポーションと丁寧にデザインされた細部の作りこみに開発チームの熱い技術者魂を感じる。
特に内装は ピアノの木工加工・塗装等のノウハウを活かして 日本楽器(現ヤマハ)が手がけ、匠の技が光る美術工芸品のような美しさと機能美を兼ねた仕上がりになっている。

大量生産ラインに乗らないカスタムカーに位置するトヨタ2000GTの驚愕する車両価格
発売当時の価格は238万円、大卒者の初任給が2万6000円前後なので 現在の1500万円から2000万円程度に相当、カローラが6台近く買える高価な車だったなんてすごいな。
トヨタ博物館の資料によると その原価は280万円とも500万円とも言われ、あまりにも手作りの部分が多く作れば作る程赤字だったらしい。

67年に公開された007シリーズの5作目となる映画「007は2度死ぬ」でボンドカーとして活躍し、前年にテストを兼ねて参加したレースおよび高速耐久トライアルで好成績を残したことなどが幸いし、70年代の後半に最盛期となったスーパーカーブームの際、2000GTも日を代表するスーパーカーとして子供たちにその存在を再認識させることができたのだった。

2013年にRM auctions社主催で行われたオークションにて、67年式の2000GTが登場して話題を呼ぶ。アメリカのテキサス在住のカーコレクターが所有していたその2000GTは、なんと約1億1800万円で落札されたとの事。

日本車史上最高の落札額をたたき出し注目を集めた。

ちなみにプロトタイプの車体番号10001はアメリカのコレクターが所有している。

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