昭和のくらし・もの

当時の少年達を虜にした罪なラジオ「ナショナル クーガRF-877」とBCLブーム

ナショナル クーガNo7カタログ

ナショナル クーガNo7本体

1973年12月発売 定価:18,500円

1970年代から80年代にかけて中高校生の間で世界中からのラジオ放送を受信するBCLブームが巻き起こった頃のワールドバンドラジオを代表する一品がこの「ナショナル クーガRF-877」でした。
1ドルが300円以上していた時代に海外へ旅行に行く事は夢のような話し、そんなこともあって異国の地に想いを馳せるラジオの人気は高かったんですね。

レアな放送局の電波を受信して内容の感想や受信状況を報告(受信報告書)すると、その放送局から証明として、ベリカード(受信確認証)を発行してもらえるという裏ワザ的なコレクションアイテムの収集方法がありました。

このベリカードというのは放送局それぞれ個性があって、カラフルだったり、お国柄が反映されていたりしていたのでファンの収集熱に拍車をかけました。

当時の少年達はベリカードを集めるのがかなりカッコいい趣味となり、夜な夜な部屋にこもってラジオの受信作業に没頭したものでした。

ちなみに1977年のラジオ雑誌(ランラジオ別冊)をみると世界136局、日本98局のベリカードコレクョンが記載されています。

ベリカード

当時はソニーのスカイセンサー、ナショナルのクーガー、日立のサージラム、三菱のジーガムなど各メーカー各シリーズが鎬を削ってる中でクーガ No.7の愛称で非常に人気のあるモデルでした。
“狙えクーガ”というキャッチフレーズもとてもカッコよかった。

クーガシリーズの特徴である回転式のジャイロアンテナは男心をくすぐるメカニカルな動作をしており、ミリタリールックで精悍な本体デザインも人気になった要因だったようです。強くタフであるというのは永遠の憧れでした。

ジャイロアンテナはスイッチを押すと垂直に飛び出す形式のもので、アンテナ自体を回転させて電波をキャッチする事が可能、他の機種のように本体の向きを変えずに中波をジャストチューニングできるという優れもの、最近はこんなカッコいいギミックの商品がなかなか出てこないのが残念です。

ダイヤル文字はオレンジで塗り分けられていて見やすく、スピーカー下部にはナショナルとパナソニックのロゴが併記されていました。

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